イギリスの玄関ドアの中には、把手がなくても鍵を回しながらドアを押すと開くタイプのものがあります。このような玄関ドアには把手は必要でないのです。私が住んでいる家の玄関ドアには把手があるのですが、隣の家の玄関ドアには把手がありません。

近所の家の玄関ドアをチェックしてみたところ、把手がない玄関ドアをいくつか見つけました。

イギリスの玄関ドアはオートロック式が多く、外に出かける際は鍵を閉め忘れることはないので安心です。しかし、家を出るときに鍵を持ったかどうかを心配します。鍵を家の中に忘れて出かけてしまうと、帰ってきたときに家の中に入ることができないので大変です。

そんな事態がお隣さんのお宅で起こりました。まさか自分の隣家で起こるとは。昨年末の夜、私が寝ていると人の話し声が外から聞こえてきました。すると突然、ドンドンドン！と、ドアを叩く音がしました。我が家の玄関を叩いているのかな？と思い、寝室の窓からそっと外を見てみると、隣の家の玄関を叩いていました。

今度はその男性は玄関ドアを思いきり蹴りました。すると近くに停車していた車から女性が出てきてその男性と話をし始めました。暗闇の中の男性と女性の顔を、街頭の明かりを頼りによく見たら、なんとお隣のご夫婦ではありませんか。

男性はその後もドアを蹴っていました。その音は深夜の住宅地に響き渡っていました。しかし玄関ドアは開かずじまい。結局、諦めて車に乗って走り去ってしまいました。

翌日の朝、鍵屋さんを連れて帰ってきたお隣のご夫婦は、やっとのことで家の中に入ることができたのでした。そんな珍事を目の当たりにした私は、“我が家がこんな事態にならないようにしないと”と、急いで合鍵を作りました。