暖炉の話 クラシック住宅の暖房について
(2019年02月04日)
クラシック住宅の内装の一つに「暖炉」が思い浮かびます。アメリカ、カナダ、ロシア、フランス、スイス、アイルランドなどでは暖炉が古くから使用されてきました。イギリスでも昔は使われていましたが、今では大気汚染防止のルールにより従来の暖炉は使用が禁止されています。現在ではセントラルヒーティングが多く使われるようになっています。
【セントラルヒーティング】
イギリスの住宅にはセントラルヒーティングが部屋ごとに設置してあります。セントラルヒーティングは、一つの給湯器から家の壁の中にパイプを通し、各部屋のヒーティング機器と接続して、ヒーティング機器が熱くなり、温風が出ることで部屋を暖める暖房器具です。セントラルヒーティングは洗濯物を乾かすためにも重宝します。イギリスのウィンタータイムは、日照時間が8時間と短く、さらに晴れている日が少ないので、外干しでは乾きにくいのです。ウィンタータイムの時期は毎日のようにセントラルヒーティングや洗濯機の乾燥システムを使って洗濯物を乾かします。
【暖炉の形跡】
先日、ホームセンターのインテリアコーナーで、“イミテーション暖炉”を見つけました。イギリスでは既に暖炉の使用が禁止されていますが、今でも大切に暖炉の形跡が残されています。暖炉で火をおこすことができなくなっても、インテリアとして暖炉の炎がモニターで映し出される家具が販売されています。インテリアの暖炉ではありますが、画面の中でゆらゆら揺れる炎に温かさを感じてしまいますね。
使われなくなった暖炉は大切なものを飾るスペースにも変わりました。または暖炉設備を撤去して壁の一部になっています。我が家にも暖炉の形跡があります。すでに暖炉設備はありませんでしたが、大きな絵が飾られていました。
【煙突】
イギリスでは、稼働していない煙突が残っている住宅がたくさんあります。
煙突は1軒家では一つ、そしてフラットタイプの住宅では2軒で一つの煙突を共有する構造になっています。煙突が設置されている壁を中心に左右の部屋に暖炉が設けられています。そして大きな煙突に暖炉から煙を運ぶパイプが暖炉の数だけ設置されているのです。
日本では見ることのない住宅の煙突の姿。とても面白く楽しい発見でした。
【まとめ】
暖炉は、炎で家の中を温める寒い地域ならではの手段でした。そして暖炉を囲んで過ごすことは家族が温まり、くつろぐための時間となり一家団欒をすることにつながりました。時には客人をおもてなしするための大切な役割もありました。古き良き住宅はリフォームを重ねながら、現代ならではの暖炉の姿もまた受け継がれていくのですね。
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