クラシックデザイン住宅の本場イギリスから屋根材の「瓦」についてお話していきます。

瓦は大きく分けると和瓦と洋瓦があります。

和瓦は日本の和風造り住宅によく見る屋根材で釉薬瓦やいぶし瓦と呼ばれています。形はS形、瓦一枚に厚みがあり、色はシルバーグレー色が多く使われています。和瓦は、日本瓦とも呼ばれています。

洋瓦はクラシック住宅などの洋風住宅によく見る屋根材です。形はS形とF形そして平板形、色は朱色やオレンジ系統が多く、瓦一枚の厚さは薄目なので、スタイリッシュな屋根に見えるのが特徴です。

下記はヨーロッパの住宅に使われている瓦の一部です。

･スレート瓦

･スペイン瓦、S形瓦

･フランス瓦、平板瓦、F形瓦

それではヨーロッパの住宅に使われている瓦にはどのような特徴があるのかご紹介していきます。

【天然石スレート瓦】

スレート瓦には天然スレートと化粧スレートがあります。

天然スレートは、粘板岩の瓦です。泥岩が蓄積し圧着してできた層状の岩から薄板に剥がして瓦や壁に使用する平らな屋根材です。

濃灰色から黒色の天然石で1枚の色合いが少しずつ違う点が魅力的です。酸やアルカリに強く、水を通しにくい特徴があり耐久性に優れています。

粘板岩は何万年もの歳月により形成された岩なので、現在は希少な瓦になっています。

日本では東京駅の屋根瓦に使用されていますよ。

【化粧スレート】

化粧スレートは天然スレートの形状によく似た瓦です。セメントと繊維素材の成分で作られています。１枚の重量は天然石よりも軽く、価格が安いうえに、天然石と同様の風合いを感じることができます。

スペイン瓦に似た波型スレート瓦という瓦もあります。波型スレート瓦はイギリスでよく使われている屋根材です。

耐久性は低いので、およそ10年で塗り替え塗装、20年から30年で葺き替えが必要です。

【スペイン瓦】

洋瓦の代表的な瓦でヨーロッパの瓦でよく使われているタイプです。瓦の形はS字の形をしているのが特徴的です。

スペインで製造された粘土瓦で、スペインの粘土で形成した瓦をそのまま窯で焼きます。素焼き瓦、素地瓦と言われます。

日本の粘土瓦には釉薬を塗り窯に入れますが、スペイン瓦は釉薬を使わないので仕上がりは自然の粘土色で優しい朱色です。

素焼き瓦は、窯にたくさんの空気を取り入れて焼成することで、瓦の吸水性と耐久性が高い性質を持ちます。

耐久年数は40～50年といわれていて、基本的にはメンテナンスが不要です。
スペイン瓦に似た瓦が日本にもあります。S形瓦と呼ばれていて、日本での洋風建築に対応できるようスペイン瓦を改良してつくられた瓦です。

クラッシック住宅の屋根材に使用することで、さらにヨーロッパ調の雰囲気が引き立ちますよ。

【フランス瓦】

フランスで製造された粘土瓦で、フランスの粘土を使用し、スペイン瓦と同じように素焼きした瓦です。フランス瓦の形状は凹凸が低く角ばった形をしています。

素焼き瓦なので耐久性や耐久年数はスペイン瓦と同様で、高い性質を持ちます。

フランス瓦の日本バージョンは平板瓦やＦ形瓦です。フランス人技師の教えによるフランス瓦を基に日本で製造された瓦なので、フランスのFを使い、F形瓦と呼ばれます。

また、形状が平らな状態なので、フラットの文字のFを使いF形瓦とも呼ばれています。平板瓦や、F形瓦には、フランス瓦のような凹凸がある種類もあります。

スペイン瓦とは異なる落ち着いた雰囲気が楽しめます。

クラシック住宅の屋根材について、本場イギリスの住宅を参考にまとめました。屋根瓦によって住宅の雰囲気が変わるものです。ご希望のクラシック住宅にアレンジしてみてくださいね。