今の日本の住宅事情とクラシックデザイン
(2012年07月01日)これからの日本の建築様式を考える。
☆ | 日本の住宅事情は・・・・ 近年建築様式の好みの調査で洋風の様式が非常に高い支持を得ていることが明らかになりました。実際に大手メーカーや、住宅開発地で建築されている家の外観もほとんどが洋風です。しかし、土地付住宅の場合、米国などと違い日本では地価が下がったとはいえ、まだまだ高く、首都圏では全体価格の半分から3分の2が地代でウェイトを占めてしまうため、なかなか思ったように住宅自体に資金をかけられません。また、注文住宅のように住宅のみに資金が費やされる場合でも様式感がはっきりせず、装飾やプロポーション等の美しさも不十分で水準が非常に低いという問題があります。 |
☆ | 西洋の高水準の様式を取り入れるためにはどうしたらいいの? まず優れたデザインを全面的に“コピー”すること。生半可な“コピー”では低水準の類似デザインになるので徹底的に優れた様式の真似をする。 |
☆ | 誰もが住みたいと思う様な住宅が建ち並ぶ街並みとは? ある住宅地が開発されてゆく過程において、住宅の前面壁までの距離等のルールがあらかじめ厳しく定められており(住宅デザイン、色感、道路との住宅の配置関係など)、これらのルールを住人が厳守することによって美しい街並みを将来にわたって存続しえること。また、ルールを守ることによって、ハイレベルなモラルとマナーが形成されてゆく。優れたクラッシックな、色あせないデザインの基本です。ただ、確かに優れた様式や異なる国の文化を自国に根付かせるためには、拡大発展していく段階で何らかの「調和化」が必要になってくると思います! |
☆ | では、その「調和化」ってなに? いくら現代の日本人体系が欧米並みになってきたといえども、食生活では生魚や米食を好んで食べたり、玄関で靴を脱いで素足で生活する習慣は、まだまだこれから先も健在だと思います。 また、街並みを考えると、いくら伝統的な優美な建築様式を持ってきても、周辺の雰囲気と全く異なるようでは逆に違和感を生んでしまいます(郊外や地方のように、一世帯あたりの土地が広く植栽や壁で隣地と区画できるような所では、周囲と不釣り合いでも家自体に与える影響は少ないですが)。そこで、異文化をしっかりと認識して、住み手側に伝え、住み手の求める生活様式、文化に対応させ「調和化させる」というプロの作業が必要になってきます。 |
☆ | その「調和化」とは? 1)構造、断熱、住宅設備機器といった機能・性能を日本の気候風土に適したものにする。 2)流行に左右されず優れた様式(クラッシックなデザイン)の中から住み手の要求するものを選び、生活に対応させる。 3)周辺環境との調和をはかる。言い換えると、「引き算の設計を行う」という事です。つまり、何百年も続いた優れたデザインを基に、予算や街並み、志向に合わせて、余分なものを省いていくことです。 |
以上の点を熟慮し追求することにより、欧米型住宅(クラシカルハウス)が根付くものと考えます。
都市工房ではご来店いただいた方に、ヨーロッパデザインが出来上がった文化的な背景や理由をまとめた冊子をプレゼントしています。
興味をお持ちの方は、ぜひ弊社までお越しください。
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